浄化槽

「市民による市民の為の条例づくり」-「浄化槽清掃」手数料について

 米子市の汲み取り許可業者は、公共下水道や農業集落排水の供用開始に伴い、汲み取り件数が年々減少し採算に合わない、として市廃棄物減量等推進審議会に手数料値上げを陳情し、これを受けた市は2008年4月から、従来の18リットル=180円から200円へ値上げする条例改正を行った。

 これに対し「浄化槽清掃」手数料は、処理方式・人槽の違いを含めて、抜き取り単価が18リットル当り250円~450円と、汲み取り手数料の実に1.5倍~2.25倍である。

 容量1.8?の浄化槽だと45,000円もの清掃料金を毎年1回以上、一般家庭が負担しなければならないのである。清掃業者は浄化槽設置者から料金を受け取り、浄化場に無料で投入する。その浄化場の運営費には市町村の負担金(住民の税金)も含まれていて、言わば住民は二重負担に当らないか。

 市議会が判断した「汲み取り手数料」の額は妥当であるとしても「浄化槽清掃」手数料との開きがあまりに大きすぎると思われる。

 この点を市に問いただしてみると、市は関係していない、決められない、という答えであった。しかし、「廃棄物処理法」第8条によれば、「(一般廃棄物収集運搬業者は)・・・・当該市町村が地方自治法第228条第項の規定により条例で定める収集運搬並びに処分に関する手数料の額に相当する額を超える料金を受けてはならない。」とされている。「市町村が条例で定める手数料の額」とはいかなる金額であろうか。また、汲み取り許可業者が受け取っている金額はこの額を超えてはいないだろうか。さらに、条例で定められているとすれば、「市は関係していない」といえるのであろうか。

 未だに無管理の浄化槽が存在し、法廷検査の受験率が低迷する一因は「余りに高すぎる清掃料金」も関係しているのではないかと思われる。
 市清掃課の言うとおり、し尿収集量は年々減少し、それによる汲み取り手数料の収益も少なくなっているのは確かであるが、その減少部分を「高い浄化槽清掃料金」でカバーしようというのは、江戸の仇を長崎で討つようなものであり、そのツケはすべて浄化槽設置者の各世帯に回されるのである。

 行政には特定業種の保護でなく、昨今の不況による庶民生活の窮状を考慮した条例の策定を図って欲しい。

 11月26日付  新日本海新聞社 読者のひろば やまびこ掲載(短縮)

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